「選択」という覚悟


 19日(水)の夜9時。卵巣出血の疑いで次女が入院している病院から帰宅するや否や電話が鳴る。嫌な予感。

「はい、菊池です」

 「八王子医療センター婦人科の〇〇と申しますが・・・」

 次女の主治医(女医)からである。夕方の手術を終え、今、次女が同日の午後に撮影したMRI画像を確認したとの事。

「娘さんの事で相談したいのですが、今から来られますか?」

 「30分で伺います」

 妻にその旨を伝え、財布を持って家を出る。はやる気持ちを抑え、「安全運転で」と声に出して自分に言い聞かせるも背中には嫌な汗をかいている。脳の奥がしびれているような感覚だ。20分ほどで病院に到着し、ガラガラの病院の駐車場に車を停める。

 夜間受付に緊急の呼び出しである旨を伝え、4階のナースステーションに行くと主治医が待っていた。

「娘さんも一緒の方がいいですか。それともお父さんだけで?」

 「一緒でお願いします」

 最初から娘も一緒に話を聞こうと決めていた。次女は結構肝が据わっているのだ。

 主治医ともう一人の記録係の看護師と三人で次女のいるベッドへ。ナースステーション前の部屋で他の患者はいない。

「MRIの所見、そして今後の治療についてのご相談です」

 主治医はゆっくりと話し始めた。

所見

1 今のところ卵巣への血流はある。ただし卵管が捻じれている可能性もあり、今後血流が途絶え る可能性もある。

2 卵巣の腫れと出血は確実にあり、出血だけでも今回のような激痛もあり得る。

「おなかの中の状態を確実に見るために試験開腹をするかどうかを決めて下さい」

 「腹腔鏡ですか?」

 「そうです。ただ状況によっては大きく開く可能性もあります」

 「手術するとしたら明日一番でしょうか?」

 「いえ、今からです」

 「今から?」

 私は面食らった。突然目の前に次女の人生に関わる大きな選択肢を突きつけられたのだ。しかもすぐに決めなければならない。この人はついさっきまで手術をしていたのではなかったか。時刻は間もなく夜の10時、なんてタフなんだと変に感心していると主治医は手術のメリット、デメリットについて話し出した。

メリット

1 卵巣の状態が確実にわかる。

2 卵管が捻じれていたり、悪いものがあったりした場合はそのまま迅速に対処できる。

デメリット

1 開けても特に何もない可能性がある。

2 手術による麻酔、感染、腹膜の癒着のリスク。

3 正常な卵巣をいじることによるリスク。

 まず私は次女に聞いてみた。

「どちらでもいい。お父さんの意見に従う」

 肝が据わってますな。

 妻に相談の電話をしようと思ったが、その前にある程度の方向性を自分でも決めないとらちが明かない。なにしろこの場で手術をするかしないかを決めなければならないのだから。5分ほど主治医とやり取りしている最中に、ふと週刊新潮に連載している心臓外科の天野先生のエッセイが頭に浮かんだ。そこには、治療方針について悩んだ時に主治医に尋ねる方法が載っていた。私はそれを使ってみた。

「もし今回のケースが先生の娘さんだったらどうされますか?」

 主治医はすっと数秒間顔を伏せた後顔を上げてはっきり答えた。

「私なら手術します」

 私の覚悟も決まった。そのうえで妻に電話して了承を得た。

「手術をお願いします」

 日付が変わったAM1時半、手術は終了した。開いてみると次女の卵管は3回転も捻じれていた。血流があったのが奇跡的である。決断が遅かったら卵巣自体ダメだったかもしれない。こんな遅くに手術をしてくれた主治医、そしてスタッフの方々にはいくら感謝してもし足りない。ちなみに次女は術後の状態も良く、来週火曜日には無事退院の予定である。※冒頭の写真は娘本人です

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