小腸の交換は可能か?iPS細胞
1月13日の報道で、国立成育医療研究センターなどのグループが、iPS細胞から大きさ1㎝ほどの「ミニ腸」を作ることに成功したというニュースがありました。
近い将来、悪くなった臓器をiPS細胞で造り、元の臓器と交換するというSF的な話が現実になるのかとつい期待をしてしまいます。しかしながらそんなことが本当に可能なのでしょうか?
角膜や膝の軟骨などは、実際にiPS細胞で複製されたものを移植する実験がすでに行われています。それらは比較的「部品交換」のような作業で移植が可能です。
ところが小腸になると話は大きく変わってきます。次の2点が問題となるでしょう。
1, 小腸をお腹にどう納めるか
小腸を複製してお腹に納めようとしても、そのままではホースの束を箱に入れるように、重力で下に全部行ってしまい使い物になりません。実際の小腸は、「腸間膜」という膜に挟まれてお腹にぶら下がっています。真空パックのソーセージをイメージしていただければわかりやすいと思います。つまり小腸を支える腸間膜も複製しないといけないのです(しかもお腹にうまく収まるように)。しかもこの腸間膜は他の臓器から連続し、リンパ管や血管も内包しているため、例え複製できたとしても移植手術は極めて困難だと言わざるを得ません。あっという間に癒着、そして腸閉塞を引き起こすでしょう。
2, 自律神経による他の臓器との連携の問題
各臓器は、自律神経を介してお互いに連携しながら働いています。複製した小腸が、この自律神経のネットワークの中に正常に組み込まれるのかという問題が生じます。新しいパソコンを買ってきて、WiFiでプリンターやタブレットとネットワークを構築するように簡単ではないと思うのです。
以上の点から、小腸の複製及び移植は相当な技術的なブレークスルーがないと実現は難しいでしょう。
多摩市多摩センターの整体院身体均整堂からだや