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諸行無常とおかげさまの心


多摩市多摩センターの整体院からだやの薬師寺金堂画像

 朝バイクに乗る前に必ず空を見ます。当たり前ですが毎日違う空です。流れる雲を見ながら、ふと今日は「諸行無常」が頭に浮かんだので書いてみましょうか。

 「諸行無常」はともすればむなしさやはかなさの象徴的言葉としてマイナスのイメージに取られがちですが、私はそうは思いません。ある人物との出会いが私の思考に影響を与えたためです。

 学生時代、私は「史蹟研究会」という神社仏閣、城などを下調べして実際に見に行く、平たく言えばお寺巡りのサークルに属していました。中でも奈良の薬師寺の当時の事務長がうちのサークルのOBだったご縁で色々と薬師寺関係のお手伝いをさせて頂きました。薬師寺は東京の五反田に別院があり、奈良からお坊さんが出張に来て法話などを行っていたのですが、そこでお会いしたのが薬師寺の故高田好胤管主です。

 人間は自分一人で生きているのではなく、周りの様々な人や物によって生かされている。ゆえに「おかげさま」の心を持ちましょうという高田好胤元管主のお話の中で、こんな「ご縁」についての話がありました。

「君たちは現在の横のご縁と、先祖から子孫への縦のご縁との交点に存在している」

 結婚、子育て、独立と周りの支え、そしておかげさまの心がようやく実感できるようになってからふと管主の言葉を思い出し考えてみました。当時は「自分」という点でしか考えられなかったのですが、周りの人や物も全て縦と横の交点であると気づいたんです。つまりこの世の中というのは様々な横軸のご縁と、時間的縦軸のご縁が編み込まれた一枚の長い織物のようなものなのです。

 「諸行無常」は縦糸です。時の流れという縦糸がなければ織物はできません。また、現在のご縁は横糸です。こちらも織物には必要です。その縦糸横糸を上手に編み上げていくために必要なものが「おかげさまの心」ではないでしょうか。

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